大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)859 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人徳見広元同笠原寿生の上告趣意第一点について。

強盗の手段たる暴行又は脅迫は、普通人の反抗を抑圧する程度のものでよいこと

は当裁判所の判例とするところであるが原審の確定した事実によると被告人は原審

相被告人Aと共謀のうえ判示の日の午後九時四〇分頃被害者宅において、同人及び

その家族等に対し、交々所携の海軍ナイフを突きつけ「騒ぐな、金を出せ」と申向

けて脅迫したというのであり、しかも原判決によれば、被害者は右の如き脅迫に畏

怖し判示金品を強取せられたと判示しているのであつて、その事実は挙示の証拠に

よつて十分認定し得るところである。特に、原判決に引用する被害者Bの聴取書中

には、被告人等に判示の如く脅迫せられ、どうにもならず相手方のするように委し

て居るより仕方がなかつた旨の被害顛末の供述記載部分もあるのである。勿論原判

決には被害者の畏怖が如何なる程度のものであつたかについては特に明示してはい

ないが、判文自体に徴し、その反抗を抑圧される程度であつたことは自明であるか

ら原判決には所論のような審理不尽の違法はない。所論は結局原審の専権に属する

証拠の取捨判断を非難し、事実の誤認を主張するものであるから、上告理由として

採用し得ない。

同第二点について。

しかし所論は原審と異つた見解に立つて被告人の所為を恐喝なりと主張し原判決

の擬律若しくは量刑を非難するものであるから採用の限りでない。

よつて刑事訴訟法第四四六条に従ひ主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 長谷川瀏関与

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昭和二三年一二月一一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

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